キャラクター概要 : |
わちきにもまだひとらしき何かが 残っていたんでありんすかねぇ…。
さぁ、この手をとりさえすればぬしさんもまた 闇の住人になりんすよ…。 それでもいいと言わしゃるならば… この世の最期まで二人で…
《三千世界の鴉を殺し ぬしと朝寝がしてみたい》
無論
他の女なんぞ見遣ったら わかっておりんしょうね…?
男はなぜか自分の前では口数が少なかった。 「今日は…泊まっていきんすか?」 答えもまた言葉ではなくこくりと頷く。 何をするわけでもない。 ただ、たわいない話をしながら食べ、飲み、眠る。 他の者といるときの男は、お調子者で適当で。
これは私だけに見せる表情(かお)なのだろうか。 そう思うと、私の胸に懐かしい感情が湧き上る。
もう覚えていない程遠い昔にもこんなことがあったような気がする。 あの時好いた男はどんな顔を向けてくれていただろうか。 どんな声で甘いことばを囁いていただろうか。 どんな風に私を愛してくれていただろうか。 どんな腕で私を抱きしめてくれたのだったろうか。 もう、思い出そうとしても思い出せないほど遠くの記憶。
それが目の前でまどろんでいる男の顔に重なる。 ああ、ぬしさんでありんしたか。 ―そのとき ――そのとき私の世界は、 ――――記憶と今が重なった。
またお側においておくんなし。 わちきを置いて逝かないでくだしゃんせ…
しなだれかかる私の頭をひと撫でしたあと いつもと同じように男は ――こくり、と頷いた。
アルカディアに突如出現した妓楼「千燈楼」の花魁。 彼は誰時(かはたれどき)から明け方までしか現れない その遊郭のお職女郎。 並みの冒険者では揚げ代を出すことはかなわないだろう。
その他は一切謎に包まれており、正体を知るものはいない。 なにやら目的があって「こちらの世界」にきているようだ。 虜になったものは「だいじなもの」を少しずつ代価として 無くしていくらしい…。
BA55D3
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